煙になる前に

最近、自分の輪郭が薄くなっている気がする。

とっておきのレシピ帳は、いちばん好きな時間の名前をつけた部屋にしまった。

その部屋の扉は、店までの道案内のページに描いておいた。

最初の香りだけは、書かずに空けてある。日誌を読めば分かるはずだ。

ケムには、まだ言っていない。

── マスター